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萬屋本店

江ノ島電鉄「長谷」駅より徒歩3分。ここに、鎌倉で二百余年の歴史を持つ「萬屋本店」という商家があります。今回のプロジェクトは、そのような歴史を纏った商家の姿はそのままに、大人の社交場としての再生を図るものとなりました。必要なスペースを確保するための解体作業から現れた構造材は、現在もしっかりと建物を支えています。お施主様の目指すおもてなしの心「さりげなく、当たり前」を共有し、この建物のもつ日本古来の技術と職人の巧みな知恵と工夫により、更に深みのある建物へと生まれ変わらせる事ができました。

<宮大工 木村真一郎の声>
今回のテーマは「大正ロマン」。それは日本とヨーロッパのデザインの融合によってできたモダンでロマンチックな文化の事をいいます。
これをプランニングするにあたり、建物自体には西洋様式は取り入れず、あくまで「和」に。そこへ家具等での西洋装飾を組み合わせることで大正ロマンを表現することとなりました。

建物は、既存の素材を極力生かし、ほぞ穴や貫穴を敢えて見せる方法を選択。古びた材は、その歴史を見て・触れて感じる事ができます。多様で不揃いな自然素材を、日本古来の継手・仕口によって組上げた金物に頼らない工法は、伝統でも何でもなく、ごく当たり前な、そして一番丈夫な方法です。地震大国の日本では、そのような組をする事で、木のしなりや粘りで強く持ちこたえる事ができるのです。

全体の仕様としては、レストランは柔らかい雰囲気を重視して面皮柱(※1)を使用し、中央には虹梁(※2)を据えました。縁側には掛込天井(※3)を美しく見せるための工夫や床板も松の柾目材を使用する等、昔ながらの演出を行いました。さらにゲストが触れる段差や仕上げは、心地よい丁寧な造り込みを施し、組み合わされる家具とともに大正ロマンを感じて頂ける仕上がりです。
各職人おのおのが腕を余すところなく見せた今物件は、上質な空間を提供できたのではと自負しております。

※1. 面皮柱(めんかわばしら):四隅に皮を残して仕上げた柱。茶室や数寄屋風書院等で用いる。
※2. 虹梁(こうりょう):虹形に上方に反り返った梁。社寺建築で下から見えるところに使う。
※3. 掛込天井:庇が室内に貫入して、天井となっているもの。小間の茶室に多い。

Construction in March 2016

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